みなさんは、荒野を知っていますか。先生は、イスラエルの荒野に行った事があります。バスで荒野に行きましたが、どこまで行っても、岩だらけです。ただ、岩の色が変わるだけで、ほとんど草や木は生えていませんでした。荒野は昼になると太陽が照りつけて暑くなります。そして、夜になると、凍り付くように寒くなります。とても厳しくつらいところです。
先月のファミリー礼拝では、イエス様がバプテスマを受けられたことをお話ししましたが、その後、イエス様は荒野に行かれました。イエス様は、その寂しい荒野で何をなさったのでしょうか。
今日の中心の御言葉は、マタイ4:4です。
「イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』/と書いてある。」
これを見てください。イエス様はどこにいるでしょう。岩だらけの荒野です。
ピュー、ピュー、ピューッ。風が寂しそうに吹いています。まわりには一軒の家もありません。まわりを見回しても、大人も子どもも誰もいません。
そんな荒野で、イエス様は、神様のことだけを考えたり、お祈りをしたりなさいました。
1日、2日、3日まだ、イエス様はお祈りをしています。10日、20日、30日経ってもまだ、荒野をひとりぼっちで歩き回りながら、お祈りをしています。そして、とうとう40日が経ちました。
その40日の間イエス様は、何も食べないで、たった一人でお祈りをしておられたのです。お腹がペコペコになってしまいました。
ちょうど、その時です。悪魔が近づいてきました。悪魔はイエス様にこう言いました。
「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ。」
イエス様は、神様の子どもですから、石をパンに変えることくらい簡単にできました。でも、イエス様は、こう答えられました
「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』/と書いてある。」
イエス様は、神様の言葉にしたがったのです。イエス様は、最初の悪魔の誘惑に勝つことが出来ました。
次ぎに悪魔は、イエス様をエルサレムに連れて行きました。そして、神殿の屋根の端に立たせてこう言いました。
「神の子なら、飛び降りたらどうだ。『神があなたのために天使たちに命じると、/あなたの足が石に打ち当たることのないように、/天使たちは手であなたを支える』/と書いてある。」
今度は、悪魔も聖書の言葉を使ってきたのです。
でも、イエス様はすぐにこう言い返しました。、
「『あなたの神である主を試してはならない』とも書いてある」
イエス様は二度目も悪魔の誘惑に勝ったのです。
すると、悪魔はイエス様をとても高い山の頂上に連れて行きました。そして、世界中の国とその素晴らしい様子を見せて、こう言いました。
「もし、ひれ伏してわたしを拝むなら、これをみんな与えよう」
たった一度だけ、悪魔を拝むだけで、世界中の国と、そこにある素晴らしいものを全部あなたにあげると言ったのです。
みなさんだったらどうしますか。
イエス様は、大声でこうおっしゃいました。
「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、/ただ主に仕えよ』/と書いてある。」
悪魔は、イエス様に勝てないことが分かると、ついにどこかへ逃げて言ってしまいました。こうして、イエス様は、聖書の御言葉によって、悪魔の3つの誘惑に勝つことが出来たのです。
イエス様は、神様の御言葉をいつも心に蓄えていたのです。
悪魔がイエス様から離れると、神様の御使いたちがそばに来て、イエス様にお仕えしました。
ここで、3つの質問をします。答えて下さい。
(1)悪魔の最初の誘惑は何でしたか。(御言葉よりもこの世の物を大切にする誘惑)
40日も断食をして、お腹がペコペコなイエス様に、悪魔は、石をパンに変えて食べなさいと行ったのです。
それに対してイエス様は、何と答えられましたか。
その答えが4節に書いています。
「イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』/と書いてある。」
パンも必要です。ごはんを食べないと病気になって、死んでしまいます。
でも、もっと大切な物があるのです。それは、何でしょう。それは、「神の口から出る一つ一つの言葉」です。聖書の御言葉です。
体のためには、ご飯をバランスよく食べましょう。すると、体が元気になります。
そして、心や魂のためには、聖書の御言葉が必要です。
エレミヤという預言者は、御言葉を与えられて食べましたと言っています。
エレミヤ15:16
あなたの御言葉が見いだされたとき/わたしはそれをむさぼり食べました。あなたの御言葉は、わたしのものとなり/わたしの心は喜び躍りました。万軍の神、主よ。わたしはあなたの御名をもって/呼ばれている者です。
エレミヤは、「あなたの御言葉が見いだされたとき/わたしはそれをむさぼり食べました。」すると、それが、わたしのものとなり、心が喜びおどったと言っています。
あの有名なイギリスの説教者スポルジョンが、ある家庭集会に行ったそうです。すると、そこに一冊の聖書が置いてあって、その聖書に虫が食っていました。それも、旧約聖書の初め創世記から、新約聖書の最後黙示録まで、きれいに食べて穴が開いていたのです。それを見た、スポルジョンは、その穴をじっと見て、私もこの虫のように聖書を読みたいと言ったそうです。
oみなさんは、聖書を最初から最後まで通読したことがあるでしょうか。もし、ないならあの虫の勝ちです。私たちも、あの虫のように、聖書を最初から最後まで、御言葉を食べるように通読をしましょう。
oまた、どれだけ、聖書を暗唱しているでしょうか。
ホサナでは、暗唱聖句を10個覚えるとマックカードがもらえます。ぜひ、みなさんも挑戦して、子どもたちの前で御言葉の暗唱をしてください。そのようにして、子どもも大人も御言葉を食べることによって成長させていただきましょう。
先週、教職セミナーが行われました。その帰りの車の中で、一人の牧師夫人の証しを聞きました。ある教会に一人のお婆さんが毎週教会に来ていました。でも、そのお婆さんは体が不自由で一人暮らしをしているので、お風呂に入ることが出来ません。
そのお婆さんが教会に来ると、臭いがするので、みんな困ってしまいました。
その時に、その牧師夫人が、ヨハネ13章のイエス様が足を洗われた聖書の箇所を示されたのです。あのイエス様でさえ弟子たちの足を洗われたのなら、私もお婆さんの足を洗わせていただこうと思ったそうです。
家に行ってみると、散らかっていて足の踏み場もありませんでした。そこで、まず、家の掃除をしました。そして、教会のお風呂で、体をきれいに洗ってあげました。洗濯もしてあげました。
それだけでなく、ヘルパーさんに来てもらう手続きもして、毎週ヘルパーさんが、家事をしてくれるようになったので、今では幸せに暮らしているそうです。
この牧師夫人を動かしたのは、「神の口から出る御言葉」でした。イエス様が弟子たちの足を洗われた御言葉が、あのお婆さんのお世話をする力になったのです。
私たちも、「神の口から出る一つひとつの言葉」によって生かしていただきましょう。
(2)2番目の悪魔の誘惑は何だったでしょうか。(みんなをあっと驚かせる誘惑です)
悪魔はイエス様を神殿の屋根の上に連れて行って、そこから飛び降りなさい。そうすれば、神様が助けてくれるって聖書に書いてあるでしょう、と言ったのです。
それに対して、イエス様は何と答えましたか。
「『あなたの神である主を試してはならない』とも書いてある」
もし、イエス様が、悪魔が言う通り、神殿の屋根から飛び降りて、神様が助けてくださったら、そこにいた大勢の人々が、「イエス様はすごい。やっぱり神の子だ」と言って、拍手喝采を受けたかも知れません。
でも、そのように神様を試すことをしてはいけません。
先生は、小学生の1年生のころです。みんなの見ている前で、買ったばかりの傘を開いて、滑り台の一番上から飛び降りたことがあります。頭の中では、パラシュートのように、またはメヤリーポピンズのように、ふわふわと降りて、みんなにすごいねと言われる予定だったのですが、本当にやってみると一瞬にして落ちてしまい、買ったばかりの傘は真っ逆さまになって壊れてしまい。みんなには笑われるし、体は痛いし、母にはこっぴどく怒られるし大変な目に遭ったことがありました。
『あなたの神である主を試してはならない』
神様は、私たちを愛しておられ、私たちを守ってくださる全能のお方ですが、その神様を試すようなことをしてはいけないのです。
(3)3番目の悪魔の誘惑は何だったでしょうか。(名誉を受けようとする誘惑)
悪魔は、一度でいいから、私を拝むなら、世界の国とその素晴らしいものを全てあなたにあげると言ったのです。
さて、あなたならどうするでしょうか。
イエス様は、それに対して
「退け、サタン。『あなたの神である主を拝み、/ただ主に仕えよ』/と書いてある。」
とおっしゃって、ただ、神様だけにお従いしたのです。
そのように、イエス様は、3度の誘惑に、3回とも、聖書の御言葉で戦いました。そして、悪魔は勝ち目のないことを知って、そこから逃げていったのです。
私たちにも、サタンの誘惑が襲ってくることがあります。そのような時に、御言葉を心に蓄えているならば、その誘惑に打ち勝つことが出来るのです。
世界初、史上最大の百貨店を建てた人は、ジョン・ワナメーカーという人です。そのジョン・ワナメーカーに、ある新聞記者が、こんな質問をしたそうです。
「今まで、あなたが、投資して(お金を使って)一番成功したものは何ですか。」
ワナメーカーは、世界一のお金持ちです。みんな、何と答えるんだろうと耳を傾けていました。
すると彼はこう答えたのです。
「私が投資した者の中で、一番成功したものは、私が、10歳の時に2ドル75セントで購入した聖書です。その聖書が私の最も成功した投資でした。その聖書のお陰で今日の私があるのです。」
日曜学校に通っていたジョンは、日曜学校のホームラック先生から、聖書を読むと素晴らしい人になれると言われて、小遣いを貯めて、聖書を買うことにしました。
次の日曜日、今まで貯めていた37セントを持って教会に向かいました。先生が買ってきた赤い聖書を受け取った彼は、本当に喜んでその値段を聞きました。2ドル75セントです。と言われた時、ジョンの顔は固まってしまいました。2ドル38セントも足りませんでした。
ジョンは、持ってきた37セントを払って、残りはお父さんのレンガ工場で仕事をして稼いだお金で支払うことにしました。
まだ10歳の少年に、レンガ運びの仕事は楽ではありません。でも、聖書の御言葉を愛したジョンは、一年間もレンガ運びの仕事をして、とうとう聖書を手に入れることが出来たのです。
そして、ジョン・ワナメーカーは、聖書を毎日読んで、聖書の教えに忠実に従いました。お金持ちになると、いろいろ誘惑もあります。しかし、彼は、聖書の御言葉にいつも忠実に従って、サタンの誘惑に打ち勝ちました。そして、ひ百貨店で儲けたお金は、神様のため、また社会福祉や、人のために使いました。そのようにして、誰よりも祝福された人生を送ることが出来たのです。
4節をもう一度読んでお祈りをしましょう。
「イエスはお答えになった。「『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』/と書いてある。」
私たちの、まわりにはいろんな誘惑があります。でも、聖書の御言葉を心に蓄えるなら、神様はその誘惑に勝つ知恵と、力を与えて下さるのです。
ご飯を毎日食べるように、聖書の御言葉を毎日いただいて、誘惑に打ち勝ち、心も魂も豊に成長させていただきましょう。
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