今日はろうそくが一本灯っていますが、今日からアドベントに入ります。今年は23日がクリスマス礼拝になりますが、クリスマスまでイエス様の御降誕のことを思い、聖書を読んだり、神様を讃美する大切な時です。 イスラエルでは、救い主がお生まれになるのを何百年も前から待ち望んでいた人たちがいました。 今日は、ずっと救い主を待ち望んでいたザカリヤとエリサベトの話しです。
64節「すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。」
今から二千年ぐらい前のことです。イスラエルにザカリヤという人がいました。ザカリヤは、神殿で神様のために働く祭司でした。奥さんの名前は、エリサベト。二人とも神様を信じる正しい人たちで、いつも神様にお祈りをしていました。けれども、二人には一つだけ悲しいことがありました。それは、二人の間に子どもがいなかったことです。「神様、赤ちゃんを与えてください。」と祈り続けましたが、随分年を取ってしまいました。② ある日のことです。ザカリヤは神殿の中で、いいにおいのする香をたいていました。それは、祭司が一生に一度しかできないかもしれない、とても大切なお仕事でした。ザカリヤは香をたいている間、神殿の外では大勢の人がお祈りをしていました。 すると、突然、ザカリヤの前に天使が現れました。ザカリヤはとてもびっくりして、怖くてがたがた震えてしまいました。 天使は、ザカリヤにこう言いました。13節「恐れることはない。ザカリア、あなたの願いは聞き入れられた。あなたの妻エリサベトは男の子を産む。その子をヨハネと名付けなさい。」 そして、ザカリヤの子どもが、やがて来る救い主の紹介をして、人々に救い主を迎える準備をさせるようになるというのです。 ザカリヤはますます驚いてこう言いました。18節「何によって、わたしはそれを知ることができるのでしょうか。わたしは老人ですし、妻も年をとっています。」すると天使が言いました。19~20節「わたしはガブリエル、神の前に立つ者。あなたに話しかけて、この喜ばしい知らせを伝えるために遣わされたのである。あなたは口が利けなくなり、この事の起こる日まで話すことができなくなる。時が来れば実現するわたしの言葉を信じなかったからである。」
ザカリヤは、天使が言ったとおり、本当に口がきけなくなってしまいました。ザカリヤが神殿からなかなか出てこないので心配をしていた人たちは、ザカリヤが話せなくなっているので驚いてしまいました。そして、家に帰ったザカリヤは、妻のエリサベトと赤ちゃんが生まれるのを待ちました。
それから、一ヶ月、二ヶ月、5ヶ月9ヶ月、エリサベトのお腹がだんだん大きくなってきました。そして、ついにエリサベトに「オンギャー、オンギャー」天使が言ったとおり、男の子の赤ちゃんが産まれたのです。
③ 八日目は赤ちゃんの名前をつける日だったので、みんながザカリヤの家に集まりました。昔、イスラエルでは、お父さんの名前を子どもにつけるのが普通でした。お父さんの名前は何ですか。「ザカリヤ」。ですから、みんなは当然この赤ちゃんには、「ザカリヤ」という名前をつけるのだろうと思っていました。 ところが、天使はこの赤ちゃんの名前を何という名前にしなさいと言ったか覚えていますか。「ヨハネ」 エリサベトは、そのことを覚えていて、「この子の名前は、ヨハネと名付けます。」と言ったのです。みんなはそれを聞いてびっくりしてしまいました。そこで、お父さんのザカリヤに聞いてみようと言うことになりました。ザカリヤは口がきけません。そこで、板を渡すと、ザカリヤは「この子の名はヨハネ」と書きました。 すると不思議なことが起きたのです。64節「すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。」
ザカリヤは、たちまち話すようになって、神様を讃美しはじめたのです。周りにいた人たちはびっくりして、「いったい、この子はどんな人になるのだろうか」と神様を心から讃美しました。
天使の言葉の通り、ヨハネは、大人になると神様の力に満たされて、救い主イエス様を紹介する人になりました。救い主がお生まれになる少し前に、神様はこのヨハネを生まれさせて下さったのです。 この御言葉から2つのことをお話ししたいと思います。
(1)救い主の準備をするために生まれたヨハネ
17節「彼はエリヤの霊と力で主に先立って行き、父の心を子に向けさせ、逆らう者に正しい人の分別を持たせて、準備のできた民を主のために用意する。」
天使は、やがて来る救い主の紹介をして、人々に救い主を迎える準備をさせるようになると言いました。その言葉の通りに、ヨハネはイエス様の宣教の準備のために生まれたのです。
今日から、12月は、礼拝の最後に「ハレルヤコーラス」を全員で讃美することになりました。 この「ハレルヤコーラス」は、ヘンデルが作曲した「メサイア」の中の一曲です。このヘンデルという人は、バッハと同じように、バロック音楽最後の大作曲家と言われています。メサイアは、救い主の生涯を歌った、3時間にも及ぶ大曲です。 この「メサイヤ」は、ヘンデルがアイルランド総督からタブリンに招かれた時に作曲したものです。 メサイヤが、公に演奏されるようになると、たいへんな評判になりました。 ある日、メサイヤの演奏が終わった後、主催者のが、ヘンデルの所に近寄ってきて、「今日はありがとうございました。お陰で、みんな楽しい時を過ごすことが出来ました。」とお礼を言いました。 ところが、この時ヘンデルは怒ったような口調で、その主催者ににこう言いました。「楽しい時ですって、もしそれだけであったなら、私は本当に残念です。なぜなら、私はメサイヤを聞くすべての人が、救い主に心を向けて、より良い人間になってほしいと願っているからです。」 メサイヤとは、救い主という意味で、この曲にはイエス様の生涯が歌われています。ヘンデルは、このメサイヤを通して、一人でも多くの人達にイエス様のことを伝えたかったのです。 私たちも、これから毎週「ハレルヤコーラス」を歌いますが、上手下手はどうでも良いことです。ただ、心から救い主であるイエス様を讃美しましょう。
バプテスマのヨハネは、やがて素晴らしい預言者として「先生」と呼ばれるようになります。その時にヨハネは「本当に素晴らしいのは、イエス様です。私は、イエス様の靴のひもを解く値打ちもない者です。」と言うのです。 神様は、救い主がいらっしゃる前に、ヨハネを生まれさせて、イエス様が神の子として働かれるための準備をされたのです。 バプテスマのヨハネがイエス様を紹介したように、私たちもイエス様のことを家族や友人や周りの人たちにお伝えさせていただきましょう。
(2)神様を賛美したザカリア
63~64節「父親は字を書く板を出させて、「この子の名はヨハネ」と書いたので、人々は皆驚いた。すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。」
ザカリヤは、約10ヶ月の間、口を聞くことは出来ませんでしたが、子供が与えられた時、天使が告げたとおり「ヨハネ」と板に書くと、たちまち口が開きました。その時に、最初に口から出た言葉は、神様への賛美でした。 賛美こそ、ひとり子を与えてくださった神様にふさわしいものです。わたしたちも、ザカリアのように心から、主を賛美しましょう。
私の母の通っている北九州復興教会の曽根分教会で、森 裕理さんのコンサートが行われました。普段の礼拝には、10名くらいの礼拝ですが、毎年地域の人たちに福音を伝えたいと、コンサートが行われるようになり、春からみんなで献金を献げ、新聞チラシを入れ、祈って準備をしてきたそうです。 そして、当日近所の方々が大勢集まって100人のコンサートを行うことが出来たそうです。10人の教会員で100人のコンサートですから、10倍の祝福だと言って感謝をしました。 この日コンサートに招かれた、森裕理さんは、NHKの歌のお姉さんで有名ですが、昔は、劇団四季のオーディションに合格したり、数々のミュージカルの主役をこなす有名な歌手でした。そして、当時は、この世の成功を必至になって求めていました。 ところが、ミュージカルの主役が決まって元気にレッスンをしていた時に、突然声が出なくなってしまったのです。「あっ」と言う声も出なくなって、声を失ったような気がしました。 その時に、森裕理さんは、初めて、自分の力によって頑張って、自分だけで生きていると思っていましたが、そうではなくて、神様の愛が生かしてくださっているということに気がついたのです。 その時から、自分のためではなく、神様を心から賛美しようと決心をしたのです。そして、その時から森裕理さんは、ゴスペルシンガーとして神様に用いられるようになりました。 ところが、1995年1月7日に大変なことが起きました。阪神淡路大震災です。森裕理さんは、この時に大切な弟が亡くなってしまったのです。それは、大変な悲しみでした。けれども、そのような耐えられないような悲しみの中でも、このことも、最善をなしてくださる神様のご計画の中にあるということを信じて、その年の3月から「希望の翼コンサート」をはじめたのです。その働きは、全国に広がっていき、160回のコンサートが開かれ、多くの人を慰め、癒したのです。 それだけではありません。今回の東日本大震災でも、その時の経験が用いられて、被災地でコンサートが行われ、多くの人たちが、慰められ、励まされ、癒やされています。
64節「すると、たちまちザカリアは口が開き、舌がほどけ、神を賛美し始めた。」
神様は、時が来れば、必ず御言葉を実現してくださるお方です。 ザカリアは、口が開くとすぐに、神様を賛美しました。私達も、御言葉通りに救い主を与えてくださった神様を心から賛美しましょう。
そして、心からの賛美と喜びを持って、今年も素晴らしいクリスマスをお迎えしましょう。
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