今年は西暦何年ですか。2012年です。それでは、何から始まって2012年経ったのでしょう。ラテン語で紀元後のことをAD(アンノドミニ)と言いますが、それは、イエス様がお生まれになってからという意味があります。イエス様がお生まれになってから、1年2年と数えて、2012年目を迎えたのです。
イエス様のように2012年も世界中の人々に、誕生日をお祝いされている人は他には誰もいません。なぜでしょうか。イエス様だけが、一度十字架にかかられて死んでしまいましたが、3日目によみがえられて永遠に私たちと共にいてくださるお方だからです。
そして、もう一つすごいことがあります。それは、イエス様がお生まれになる何百年も前から、イエス様がお生まれになるということが預言されていたことです。
今日は、預言者イザヤの言葉から、救い主の預言を見てみましょう。
イザヤが生きていた時代の人達は、本当の神様を忘れて、石や木で作った神様を拝んでいました。イザヤはいつも、「本当の神様を礼拝しなさい」と教えましたが、みんなはなかなか言うことを聞こうとはせずに、勝手な生活ばかりをしていました。悪いことも平気でしていました。 そんなある日、アッシリアというとても強い国があって、隣の北イスラエル王国が滅ぼされてしまったいううわさが聞こえてきました。
「ねぇねぇ聞いた?隣の北イスラエル王国は、戦争に負けて大変なことになっているらしいよ。」「家も畑も、めちゃくちゃにされたんだって。」「それだけじゃなくて、たくさんの人達が、外国に連れて行かれたんだって!」「えっ~。なんて恐ろしいことだ。私たちの国も滅ぼされるかも知れないね。」 北イスラエル王国を滅ぼしたアッシリアという国がいつ、攻めてくるかわかりません。南ユダの人達は、毎日、恐くて恐くて仕方がありませんでした。「誰が助けてください。」「神様この国を守ってください。」人々は心からお祈りをしました。
その頃、イザヤという預言者があらわれたのです。預言者は、神様の言葉を人々に伝える人です。 イザヤは、みんながいつ敵が攻めてくるかも知れないと言って、恐がっている真っ暗な時代に、やがて、救い主がお生まれになりますよ。と預言したのです。
今日は、2カ所だけ聖書を開いてみましょう。イザヤ7:14(P1071)
「それゆえ、わたしの主が御自ら/あなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ。」
イザヤは、「みなさん、聞いてください。神様がこうおっしゃいました。まだ、結婚をしていない女の人から、男の赤ちゃんが生まれます。その男の子の名前は「インマヌエル」と呼ばれます。」 「インマヌエル」というのは、「神様が一緒にいてくださる」という意味です。 敵がいつ攻めてくるかわからない。そのような中でいつもおびえていた南ユダの人にとって、救い主が現れて、神様がいつも共にいてくださるということは、どんなに大きな力になったことでしょう。 イザヤはまたこう預言しました。イザヤ9:5(P1074) 「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、「驚くべき指導者、力ある神/永遠の父、平和の君」と唱えられる。」 神様か、わたしたちのために「ひとりのみどり子を与えてくださる。ひとりの男の子を与えてくださる。」 そのお方は、驚くべき指導者であり、力強い神様であり、天のお父様であり、本当の平和を与えてくださるお方です。とイザヤは預言したのです。
このような救い主が、私達と共におられたら、もう恐れる必要はありません。このイザヤの預言を聞いた時、イスラエルの人達の心の中に希望がわいてきたのです。この御言葉から、2つのことをお話ししたいと思います。
(1)救い主を待ち望む信仰
来年の初めに、那須暢子さんと及川恵美さんに赤ちゃんが生まれます。みんなその日を楽しみにお祈りをしていますが、昔、一人の赤ちゃんが生まれるのに、何百年も待ち続けた人たちがいました。
イスラエルの人々は、預言者イザヤから、、神様の約束をいただくと毎日毎日、毎年毎年、神様の約束して下さった救い主がお生まれになるのを楽しみに待っていました。でも、約束の赤ちゃんはなかなか生まれません。そして、1年2年、10年20年、100年200年経っても、赤ちゃんは生まれません。 神様は約束を忘れてしまったのでしょうか。そうではありませんでした。神様の時が来ると神様の約束は必ず実現するのです。
イザヤが預言をして、700年経ったある日のことです。 ヨセフはまだ、結婚もしていないのに、いいなずけのマリヤが聖霊によって身ごもってしまったと言うことを聞きました。どうして結婚もしていないのに、赤ちゃんが生まれるんだろうと大変悩んで、ひそかに、婚約を解消しようと思っていました。その時です。主の使いが現れてこう語られたのです。
マタイ1:20~23「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。」
ここに「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」と書かれていますが、これは、イザヤが預言した言葉です。
イザヤがこの神様の言葉を語ったのは、イエス様がお生まれになる700年も前のことでした。神様は、素晴らしい救い主がお生まれになることをイザヤに預言させて、南ユダの人達を励ましたのです。そして、この御言葉を聞いたユダヤの人々は、それからずっと、700年も救い主の誕生を待ち続けたのです。 そして、このイザヤの預言の通りに、イエス様は今から2012年前のクリスマスにユダヤのベツレヘムにお生まれになったのです。
みなさんは、何か欲しい物があった時に、「もう少し待ちなさいと言われたことがありますか。」その時に、待つのは大変ですが、でも、ずっと待ち続けた物をもらうと本当に嬉しいでしょう。そのように、神様は、本当に大切な物をくださる時、信じて待つならば、私たちに必要なものは必ず与えて下さるのです。
神様は、時には私たちを長い間待たせられることがあります。
宮本純子宣教師は、12歳の時「日本のちょうど反対側にあるブラジルにぜひいらっしゃい。」という一人の人の言葉を聞いて心を動かされ「神様、どうしてもブラジルに行かせてください。」と心から願って祈り続けました。けれども、その祈りはなかなか答えられませんでした。 やがて、宮本純子さんは幼稚園の先生になり、日本と満州で厳しい学びと訓練を受けました。第2次世界大戦のために満州から日本に帰って、保育園で働きました。 そして、再び日本人が海外に出ることが許されるようになると、宮本先生は「ようやくブラジルに行く時が来た。」と準備を始めました。 必要の全てが満たされ、聖書100冊と「信仰によって、アブラハムは、自分が財産として受け継ぐことになる土地に出て行くように召し出されると、これに服従し、行き先も知らずに出発したのです。」
ヘブライ11:8の御言葉をいただいて、ブラジルへ旅立ったのです。それは祈りはじめて20年も経ってのことでした。 ブラジルの教会で、宣教師として正式に認められ、日本人伝道を始めました。開拓伝道をしながら幼稚園をはじめて、教会学校に100人の日本人の子どもたちが集まるようになりました。宮本先生が20年祈り待ち望んだ間に、幼稚園を運営することや、伝道に必要なことをすべて学んだのです。
イザヤは、イザヤ書40章8節でこう言っています。
「草は枯れ、花はしぼむが/わたしたちの神の言葉はとこしえに立つ。」 神様は、真実なお方です。そして、約束されたことは、必ず成就されるのです。その神様の御言葉を信じて、希望を持って待ち望みましょう。
(2)この救い主は、私たちと共にいてくださるお方です。
イザヤは、この救い主の名前を何と預言しましたか?もう一度、イザヤ7:14(P1071)を読んでみましょう。
「それゆえ、わたしの主が御自ら/あなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ。」
このインマヌエルという名前は、「神はわれわれと共におられる」という意味です。そして、神の子であるイエス様が私たちと共にいてくださるなら、私たちは恐れることはないのです。
ジョン・ウエスレーという人を知っていますか。私たちの教会は、ウェスレアン・ホーリネス教団 山形南部教会と言いますが、ウェスレーが提唱した、聖潔を大切にしている教団です。 このウェスレーはメソジスト教会の創立した人です。このウェスレーが、オックスフォード大学を出てから間もない若い頃、宣教師としてイギリスからアメリカに船で渡りました。1735年10月のことです。ところがその船は嵐にあい、荒れ狂う波のなかで今にも沈みそうになったのです。 ウエスレーにとってこんな恐ろしいことははじめでした。船は大揺れに揺れて波が船の中にどんどん入ってきます。ウエスレーはすっかり動揺してしまいました。そして、その船に乗っていた人たちや船員までもが、生きた心地がしないと行った様子でみんな真っ青になっていました。 ところが、そのような時に甲板のほうから賛美の声が聞こえてきたのです。その讃美歌を歌っていたのは、モラビア兄弟団というクリスチャンのグループで、そこには、女性や小さな子供たちもいましたが、誰も恐れている人はいませんでした。ウェスレーは、後でモラビア兄弟団の人たちに「どうして、みなさんはあんなに大変な嵐のが恐くなかったのですか」と聞きました。すると、彼らは「神様が共におられるからです。神様は、この海も嵐も支配しておられる方です。それなのにどうして怖がることがあるでしょうか。」と言いました。みんな安心して主に任せきっていたのです。その姿にウエスレーは感動して大きな影響をあたえられたのです。 「神が私たちと共にいます。」ということは、こういうことです。私たちの人生は、晴れの日ばかりではありません。雨の日も、嵐の日もあります。。けれども、晴れの日も、雨の日も、嵐の日にもいつも神様は私たちと共にいて下さるのです。
「インマヌエル」「神はわれわれとともにおられる。」私たちを愛しておられるイエス様が、共にいてくださるということは本当に素晴らしいことです。
今日は、イザヤの預言から大切なことを二つお話ししました。 一つは、信じて待ち望むことです。神様の約束は必ず成就します。今はどんなに辛くても、その約束を信じて待ち望みましょう。 もう一つは、イエス様は、私達と共にいてくださるお方であるということです。イエス様の名前は「インマヌエル」「神はわれわれとともにおられる」です。このイエス様が共におられるなら、どんな嵐が襲ってきても恐れることはないのです。
このイエスがお生まれになったのがクリスマスです。クリスマスは、イエス様のことを伝える絶好のチャンスです。このクリスマスの喜びを一人でも多くの方々にお伝えしましょう。
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