みなさんは、結婚式に招かれたことがありますか。結婚する二人は、結婚式のためにいろいろな準備をします。結婚式のためにお金を貯めなければなりません。また、服を買ったり、ご馳走や引き出物を選んだり、住む家も探します。 本当に忙しくなりますが、愛する人と結婚できると思うと、胸がわくわくしてきます。 ヨセフとマリアは、婚約をしていよいよ結婚式を迎えようとしていました。
今日の中心の御言葉は、18節です。
「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。」
①
これは、誰でしょう。ヨセフです。ヨセフは、ベツレヘムで大工の仕事をしていました。トントン、トントン、机を作ったり、牛や馬の引くくびきを作ったりしていました。貧しい生活をしていましたが、神様を敬う正しい人でした。
このヨセフの先祖は、ダビデ王というイスラエルの王様です。 そして、ダビデ王の時代に、神様は、ダビデの子孫から世界を治める救い主を誕生させると約束されたのです。 そのヨセフは、マリアと婚約をして、結婚する日を楽しみに待っていました。
②
ところが、ある日大変な事が起きました。その愛するマリアのおなかの中に赤ちゃんがいるのがわかったのです。ヨセフは、「結婚もしていないのに、なぜなんだろう」と悩んでしまいました。 この頃は、結婚をしていないのに、子供が生まれたことがわかったら、みんなから石を投げつけられて殺されてしまうことになっていたのです。「どうしよう。このままだとマリアは大変なことになってしまう。」 そこで、ヨセフは悩んだあげく、マリアがそんな目にあったらかわいそうだと思ったので、結婚するのはやめようと思いました。
③
ところが、そんなある晩です。ヨセフがぐっすり眠っていると、夢の中に神様の使いが現れました。そして、こう言ったのです。「ヨセフ、恐れないで、マリアと結婚をしなさい。マリアのおなかの中にいる赤ちゃんは、神様の力によるものです。マリアは、男の子を産みます。その子の名前をイエスと名付けなさい。この方こそ、すべての人を罪から救ってくださる救い主なのです。」 そして、このことは、イエス様がお生まれになる700年も前にいざやという預言者によって約束されたことでした。 イザヤの時代に、結婚していない女の人が男の子を産み、その子は「インマヌエル」と呼ばれるというのです。 そのことが、成就したのです。oイエスという名前は「主は救いである」という意味です。oそして、インマヌエルというのは、「神様が私たちと一緒にいてくださる」という意味です。 御使いが、ヨセフに話したことは、全部神様が約束されたことだったのです。 神様は、ヨセフが「どうしたらいいのかな」と心配していたこともみんな知っておられたのです。そして、これからヨセフが何をしたらいいのか教えてくださったのです。
④
ヨセフは、目を覚ますと、神様にお祈りをしました。「はい、神様、わかりました。もう、心配しません。マリアと結婚します。マリアと一緒に赤ちゃんが生まれるのを楽しみに待ちます。そして、赤ちゃんが生まれたら、神様が言われたとおり、その子にイエスという名前をつけます。」
それから、ヨセフとマリアは結婚をしました。 二人は仲良く暮らして、やがて、赤ちゃんが生まれました。ヨセフは、天使が言われたとおり、赤ちゃんに「イエス」という名前をつけました。 神様は、このようにして、イエス様のお父さんとお母さんをお選びになったのです。
ここで、質問です。この聖書の箇所に、赤ちゃんの名前が二つ書かれています。それは何でしょうか。①イエス ②パウロ ③インマヌエル答えは、①イエスと③インマヌエルです。
(1)イエス「主は救いである」
21節 「マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」
御使いは、夢の中でヨセフに、生まれてきた赤ちゃんに「イエス」という名前を付けなさいと言いました。イエスという名前は、「主は救いである」という意味です。 イスラエルの人たちは、ずっとその救い主を待ち望んでいたのです。
教会歴では、今アドベントを迎えています。イエス様の御降誕を待ち望む大切な時です。 教会では、先週4本のろうそくが立てられました。そして、今日は2本のろうそくに火がともっています。そして、来週は3本、そして、18日のクリスマスには、4本のろうそくに灯がともります。そのようにして、まことの光「私たちの救い主」としてこの地上に来てくださったクリスマスを待ち望んでいます。何だかわくわくしませんか?
2000年前、神の子イエス様がお生まれになった時にも、神様の時が一日一日と満ちていったのです。それは長い長い期間でした。 アダムとエバが、神様がとって食べてはいけないと言われた木の実をとって食べて神様に背いてから、人の心に罪が入り込みました。その時から、神様は私たちを救ってくださる救い主を送る準備をしてくださったのです。 その間、何度も救い主を送ってくださる約束をしてくださいました。
イザヤ7:14(P1071)
「それゆえ、わたしの主が御自ら/あなたたちにしるしを与えられる。見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み/その名をインマヌエルと呼ぶ。」
ミカ書5:1には、救い主がベツレヘムでお生まれになることが預言されています。
そして、イザヤ53章には、救い主が、「みんなの罪を赦すために、苦しみに遭われ、命を捨てられる」ことが書かれています。
そして、ヨセフとマリアは、救い主がお生まれになるのをずっと待ち望みました。そして、ずっと待ち望んできたイエス様が、ついにお生まれになったのです。 いよいよ、神様が力をもって来られるのです。 悪魔と罪の力に打ち破るために来られるのです。 待ちに待った救い主イエス様が来られるのです。 私たちも、心から、救い主のお誕生をお祝いする準備をいたしましょう。
(2)インマヌエル(神は我々と共におられる)
23節「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。」
これは、イエス様がお生まれになる700年も前にイザヤという預言者を通して語られ約束です。 インマヌエルというのは、「神は我々と共におられる」という意味です。 神様は、ヨセフに夢を通して、共におられることを示されました。 そして、クリスマスは、神の子であるイエス様がこの地上に来てくださり、神様が私たちと共におられることをはっきりと示してくださった日です。 そして、そのイエス様は、私たちの罪のために十字架にかかってくださり、三日の後によみがえられて、今も共にいてくださるのです。
今年は、東日本大震災が起こった大変な年でした。 今年の6月からウェスレアン・ホーリネス教団で、MSR+(宮城南部復興支援ボランティア)の働きが始まり、今年は11回のボランティアが行われ、12月1日で今年のボランティアは終わりました。みなさんのお祈りとお支えを心から感謝します。 そのボランティアを振り返るときに、毎回本当に神様が共にいてくださると感じました。 まず、毎日持たれる早天祈祷会で、その日に必要な御言葉を与えてくださり、神様が共におられることを感謝して、一日のボランティアに出かけることができました。
そして、行き先を知らずに、出発をした私たちでしたが、神様が先立って下さり、いろいろな人との出会いを通してなすべきことを教えてくださいました。 最初は、津波で臭いがひどかったのでその臭い消しのために、EMという有用微生物を一軒一軒、庭や、床下にまきました。 また、9月からは、畑にEMを蒔いて欲しいと農家から要望があり、広い畑にEM散布をしてきました。 そして、そのために、北は北海道、南は沖縄、そして、韓国やシンガポールなど海外から、延べ200人以上のボランティアの方々を送って下さいました。
前回のことです。収穫の時を迎えて、地域の方々が、いろいろな野菜を持ってきてまださいました。白菜や、にんじん、大根やほうれん草、どれも取り立てのものばかりです。そして、その日春菊をいただいたのです。 その時です。ある人が、「白菜と春菊というと、やっぱり、すき焼きだよね。」と言いました。「でも、かんじんの牛肉がないね。明日買ってこよう。」という話をしていたときです。ピンポーンというインターホーンがなりました。 そして、宅急便が届きました。その箱に「生もの」というラベルが張っています。「まさか・・・」と思いましたが、その箱を開けると、牛肉が入っていたのです。でも、それは焼き肉用の肉でした。ところが、その肉の下に、すき焼き用の肉と、鶏肉の手羽先が入っていたのです。 みんな感激をして、「すごい。すごすぎる。」と歓声が上がりました。もちろん、次の日はすき焼きのごちそうをいただきました。その美味しかったことと言ったら言いようがありません。6ヶ月前に、津波で泥だらけで、塩を吹いていた畑で、このような野菜がとれたのです。そして、神様が牛肉まで用意してくださったのです。 私は、その野菜と牛肉は「わたしが共にいる」という印だと思いました。
また、今回も素晴らしい神様の奇跡を見せていただきました。今、農家では来年の作付けの準備をしていますが、私たちには何をしていいのかわかりませんでした。ところが、埼玉県の方が被災地のためにと、20トンのぼかしという有機肥料を届けてくださったのです。このぼかしは、お金にすると400万円以上もする高価なものです。 それだけでなく、2トントラックや、EMの培養器なども与えられようとしています。そのようにして、神様は、目に見える形で、「私が共にいるから大丈夫だよ」と語りかけてくださっています。
ボランティアの証しをしましたが、それは、もちろんボランティアだけではありません。ヨセフと共におられたインマヌエルのイエス様は、私たちとも必ず共にいてくださるお方です。
そして、何よりも素晴らしいのは、救い主であるイエス様が、私たちの心の中に共にいてくださるということです。今年の年間聖句を読んでみましょう
Ⅰコリント3:16
「あなたがたは、自分が神の神殿であり、神の霊が自分たちの内に住んでいることを知らないのですか。」
神様は、私たちの体を、神の神殿としてくださり、私たちと共にいて下さるお方です。このお方を心の真ん中にお迎えして、素晴らしいクリスマスをお迎えしましょう。 最後にもう一度23節を読みましょう。「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。」 私たちの救い主は、私たちのすべてを知っておられ、私たちと共にいてくださるお方です。このお方と共に祝福された歩みをさせていただきましょう。