私たちは、今週気仙沼に行ってきました。お祈りをありがとうございます。 気仙沼は、地震、津波に加えて、船の重油に火がついて、町全体が日に覆われた場所です。あの震災から一ヶ月半経って、私はその場所に行きましたが、まだ、道路が確保されているだけで、瓦礫の山が町全体に広がって、ほとんど手つかずの様子でした。
今日の聖書の箇所は、エルサレムの城壁が、敵によって滅ぼされ、そのままになっている様子を聞いて、ネヘミヤがペルシャから帰って、再建する聖書の箇所です。
今日の中心の御言葉は、ネヘミヤ2:20前半(P741)
「そこでわたしは反論した。「天にいます神御自ら、わたしたちにこの工事を成功させてくださる。」
ネヘミヤ8:10後半
「今日は、我らの主にささげられた聖なる日だ。悲しんではならない。主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。」
先月のお話しを覚えていますか。 ペルシャの王様の食事のお世話をしていたネヘミヤは、エルサレムの城壁を建て直しに行きたいと神様にお祈りをしました。すると、神様が、王様の心を動かして下さって、エルサレムに行けるようにして下さったのです。 長い長い旅をして、ネヘミヤはエルサレムに着きました。 エルサレムは聞いていた通り、塀は崩れ落ちて、門は焼け焦げていました。前の戦争で壊されて、ずっとそのままになっていたのです。
①
次の日に、ネヘミヤはエルサレムの人たちを集めました。「エルサレムの城壁を建て直しましょう。神様が助けてくださいます。」集まった人たちは「そうだ。みんなでがんばろう。」と言いました。 町の塀と門を直す工事が始まりました。みんなは力を合わせて一生懸命働きました。
②
ところが、周りの町の人たちがじゃまをしにやって来たのです。「あはは、いくら頑張っても無駄だよ。お前たちが造った城壁なんか、一匹のキツネが上っただけで、崩れてしまうよ。」といってからかいました。
③
さてこの時、ネヘミヤは何をしたでしょうか。そうです。ネヘミヤはお祈りをしました。「神様、あの人たちが、わたしたちを馬鹿にします。どうか助けてください。」神様は、そのお祈りに応えて助けて下さいました。「よいしょ、よいしょ」大きな石を運ぶ人、金槌でトントンたたく人、みんなで一生懸命働きました。城壁の工事はどんどんはかどって、もう半分くらいできあがりました。
それを見ていた、周りの人たちは、もっと、意地悪なことを言ってきました。「エルサレムを攻めてやるぞ。」 ネヘミヤは何をしたでしょうか。
この時もネヘミヤは神様にお祈りをしました。「神様助けて下さい。どうしたら良いでしょうか。」すると神様がネヘミヤに知恵を与えてくださいました。ネヘミヤは、ユダヤ人に言いました。「神様が一緒にいて下さるから怖がらなくても大丈夫。いいですか、これから半分の人が働いている間、残りの半分の人は見張りをすることにしましょう。」「それはいい考えだ。頑張ろう。」みんな勇気を出して、昼も夜も働きました。
ところが、そのうち困ったことが起きました。みんなが一生懸命頑張って疲れてしまったのです。イスラエル人の中から、「生活が大変です。何とかして下さい。」と文句を言う人たちが出てきたのです。それだけではなく、次々に困った問題が起こりましたが、そのたびにネヘミヤはお祈りをして、知恵をいただき、問題を解決することが出来ました。そのようにして、城壁の工事はどんどん進んでいきました。
④
ついに、城壁の工事が終わりました。たったの52日で完成したのです。 みんな大喜びです。そして、工事の邪魔をしていた意地悪な人たちも、神様がネヘミヤを本当に助けておられるのを知って、驚いてしまいました。 人々は、広場に集まりました。祭司エズラが神様の御言葉を読みました。みんなじっとその御言葉に耳を傾けていました。 イスラエルの人々は、今まで何度も神様に従わなかったことを思い出しました。そして、本当に悪いことをしてしまったと、歎いたり、泣いたりしました。 そのようなイスラエル人に、エズラとネヘミヤはこう言いました。
ネヘミヤ8:10(P750)
「彼らは更に言った。「行って良い肉を食べ、甘い飲み物を飲みなさい。その備えのない者には、それを分け与えてやりなさい。今日は、我らの主にささげられた聖なる日だ。悲しんではならない。主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。」
神様はイスラエルの民を愛しておられます。そして、約束通り、エルサレムに帰してくださり、神様を礼拝する神殿を与えてくださって、町を守る城壁も
完成させてくださったのです。 みんな、神様への感謝と喜びで一杯になりました。そして、神様を心から礼拝し、神様を喜び祝ったのです。
(1)神様御自身が、私たちの教会を建てあげてくださる
ネヘミヤ2:20(P741)
「そこでわたしは反論した。「天にいます神御自ら、わたしたちにこの工事を成功させてくださる。その僕であるわたしたちは立ち上がって町を再建する。」
ここに、 「天にいます神御自ら、わたしたちにこの工事を成功させてくださる。」 と書かれています。どんなに敵が、悪口を言っても、どんなに攻撃してきても、ネヘミヤのように神様にお祈りするなら、神様が教会を建て上げてくださるのです。
東日本大震災で、東北で4つの教会が津波で流されました。 そのうちの一つが、今山形南部教会で復興支援のお手伝いをさせていただいている。気仙沼第一聖書バプテスト教会です。 気仙沼第一聖書バプテスト教会は、津波で土台だけ残して全部流されてしまいました。その町全体が瓦礫の山になっていましたが、その教会の跡地には、瓦礫の中に十字架が立てられ、洗礼槽が残されていました。そこで、みんなで手を繋いでお祈りをしました。
すべてが、津波で流されましたが、神様は、その教会を建て上げさせてくださっています。牧師の嶺岸先生は、津波がやって来た時、真っ先に海の様子を見に行かれたそうです。そして、様子がおかしいのを知って、すぐに、教会に帰って「逃げろ」と叫んで、家族を車に乗せて高台に上っていって助かったのです。 そして、教会員で愛燐オフセット印刷会社を営んでおられる阿部さんの家も、津波で流されてしまったのですが、ちょうど、その時、宣教師をしておられるお嬢さんのところに旅行をしておられて、命が守られたのです。その印刷会社も2m位津波に襲われて、家の中は泥だらけになってしまいましたが、その印刷会社をチャペルとして用いて欲しいと申し出られました。 そして、このイスラエル人がエルサレムの城壁を建てあげるように、川上さんや長井バプテスト教会の教会員で大工をしておられる高橋さんを中心に、復興支援のために出かけていった一人一人によって、その泥だしや掃除や大工事が行われています。 先週は、山形南部教会から、松波チャペルで使っていた、講壇と十字架を運んで、そのチャペルの中央に置くと、ちょうど松波チャペルを思い出すようなチャペルになりました。
私が行った時、多くの方々の生きたお証をお聞きし、3回の早天礼拝と、祈祷会は福島県の須賀川教会から、後藤正嗣先生が来てくださって、Ⅰコリント10:13(P312)から御言葉が取り次がれました。
「あなたがたを襲った試練で、人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなたがたを耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道をも備えていてくださいます。」
「神様は、私たちを守り、助けてくださるお方。そして、私たちに逃れの道を備えてくださるお方です。」と力強いメッセージを語ってくださって、素晴らしい恵みの時が持たれました。
確かに、会堂は津波で流されてしまいましたが、キリストの教会は滅びることはありません。教会は復興し、また教会が建てあげられようとしています。
ネヘミヤ2:20(P741)「天にいます神御自ら、わたしたちにこの工事を成功させてくださる。」
神様御自身が、この工事を成功させてくださいます。そして、教会を建て上げてくださるのです。神様は試練を通して、素晴らしい御業を成してくださるお方なのです。
(2)力の源は、主を喜び祝うこと
イスラエルの民は、エルサレム神殿が完成して、祭司エズラが、神の御言葉を朗読した時、自分たちの犯してきた罪を思い起こして、歎いたり、涙を流したりしました。その時に、エズラとネヘミヤはこう言いました。
ネヘミヤ8:10
「彼らは更に言った。「行って良い肉を食べ、甘い飲み物を飲みなさい。その備えのない者には、それを分け与えてやりなさい。今日は、我らの主にささげられた聖なる日だ。悲しんではならない。主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。」
ここに「主を喜び祝うことこそ、あなたがたの力の源である。」とあります。神様は、私たちの事を愛しておられます。それも、独り子を与えてくださる程に、私たちのことを愛しておられるのです。そして、私たちの教会を建て上げてくださるお方です。そのイエス様の十字架を見上げる時、私たちに変わることのない喜びが与えられます。そして、その「主を喜び祝うことこそ、」わたしたちの「力の源」です。
木曜日の午前中、祈祷会が行われました。一人一人、証しをお聞きすることが出来ました。それは感謝の証しでした。 嶺岸先生は、教会を流されて今でも、避難所生活をしておられるのですが、「このことを通して、「恵みと慈しみが追ってくる」という経験をしています。命が守られ、多くの人達に祈られ、多くの先生方や兄弟姉妹との出会いが与えられていることを感謝します。」と証しをしてくださいました。
また、ある兄弟は、私は、逃げる時になんにも持たないで逃げました。だから、身軽に逃げられて感謝でしたとすべてを失ったことを感謝しておられました。
また、印刷会社の阿部さんは、外国から帰ってきた時、最初この建物を見た時には、どうなることかと思いましたが、こんなに多くの助け手が与えられて、この印刷会社が前よりも立派になりましたと感謝をしておられました。
そして、こんなに大きな被害に遭ったのに、感謝が出来るのは、クリスチャンしかいないよねとみんなで大笑いをして、救われた喜びを分かち合うことが出来ました。
ネヘミヤ8:10
「主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。」
地震も津波も放射能も、神様の愛から私たちを引き離すことは出来ません。 エルサレムの城壁を再建してくださった神様は、日本を再建してくださるお方です。 そして、本当の意味で、日本を再建してくださるのは、神様以外におられません。 そのお方を、信じ信頼するなら、私たちに変わることのない喜びが与えられます。そして、その主を喜び祝うことこそが、私たちの力の源なのです。 瓦礫の山だった、エルサレム神殿が、ネヘミヤやイスラエルの民によって、再建されたように、私たち日本の教会も、この大きな試練を通して神様が再建してくださると信じています。 その神様に信頼し、主を心から喜び祝い、神様の素晴らしい御業を見せていただきましょう。